9時くらいに起きて10時半くらいにホステルを出る。浅草にあるこのホステルは3000円程度で泊まったのだが設備が充実していて感心。宿なんて風呂とベッドがあればいいと考える私にとっては十分すぎるほどだった。
渋谷へ行き、カツカレーを食べる。勿論目的はカツカレーを食べるためではなく、ヒューマントラストシネマ渋谷で『チルド』を観るためである。カツカレーも美味しかったが。
かなりでかいシアターに人がぞろぞろ入ってきて、上映開始後であってもさも当然のように尾を引いた。これが渋谷。これが東京。人影で視界がままならない。
『チルド』はコンビニホラーとして宣伝されているが、実際はかなりタランティーノなコメディだった。記憶の限りでは全てのショットがフィックスから構成されていた気がする。にじり寄るようなズームはおそらく編集時でのクロップによるものだと思われる。静的な画面ということで小津を思い出したが、美学的には全くの別物だろう。
生きながら瞬間冷凍されたような人物。何も考えずにただ目の前のことをこなす人間が蔓延るとどうなるか、という実験的な映画だと思っていたが、コンビニの店長が首を吊ってからはトントン拍子で血が流れ、殺伐とした画でエンドロールという、アンチ「考える映画」的なへそ曲がりを感じた。これはこれで面白い。後味的には不思議と気分爽快。
そこにあったから、とバイトの面接を受けるチンピラ。オーナーにとってもそれは一緒で、そこにあったからこその執着をやめられない。何も考えないからこその、ルールへの異常な執着。
ナム・ジュン・パイクじゅげむ展。メディアアーティストと寿限無と何の関係があるのか、最後まで分からなかった。縦に長い展示。著名な作家はスケッチまでまじまじと見てもらえる。テープをスキャンすると音が流れる装置や、モニター越しの水槽の作品は良かったが、他は響かなかった。自然の中にブラウン管テレビがあるという構図もすっかり見飽きてしまった。変容するメディアの中で現在を求め続けた彼も結局は過去のものになってしまった。
新宿のディスクユニオンへ偵察。目ぼしいものなし、完全に無駄足を踏む。
東京学生映画祭最終日。後輩の映画がスクリーンで流れており感激。受賞には一歩届かなかったものの、いけるかも?な出来だった。東京のお金持ち映画学部による作品が多い中、大健闘だったと思う。
打ち上げ。私だけキャリーケースを引きずりゴロゴロ言わせていた。岩崎監督に直接「チルド観ました」と言ったり、特大ケーキの山から食パンを見つけたり、清水崇監督から新作のフライヤーを貰ったり、学生監督と話したり。4時に会場を出て、開店直後のマクドナルド秋葉原店(なぜか蛍の光が流れていた)にてラジオ収録。帰路へ。新幹線は速い。速さにお金をつぎ込んでいる。お金が走っている。お金が摩耗していく。窓から景色が現れ、消えていく。なんだこれ。
東京全体の感想は後々ZINEにまとめて小遣い稼ぎするか、と金策をこねくり回しながら帰宅。大いなる睡眠へ。